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繋いでいく、紡いでいく

6/21/2022

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こんにちは、池上校講師の木村美那子です。

新宿マルイ本館で行われている、写真展「Ballet Authentic」はご覧いただけましたでしょうか?
6月の2週目には展示内容が変わり、また会場も(マルイ本館ではありますが)大幅にリニューアルされますので、まだご覧になっていない方はお急ぎください。
また、会期中に何度も足をお運びいただいてくださった皆さまには、ぜひ後半戦の展示も楽しみにお待ちいただければと思います!

近年の技術の発達で、スマートフォンでもきれいな写真が撮影出来るようになり、またInstagramなどのSNSで気軽に多くの人と共有出来るようになりました。
バレエやダンスでの写真と言えば、公演や発表会などでの舞台写真が主となりますが、それらも大きく分けて「記念や記録としての写真」と「作品を伝えるための写真」があるように思います。

写真は映像と違って動きませんから、その使い方としては「ある一瞬」を切り取り、画面に紙面にやきつけることになります。
さて、その1枚からは何が見えて来るでしょうか?
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そのダンサーが実際に踊っているところに立ち会ったことがなくても、その作品を観たことがまだなくても、まるでその人の踊る様子を観たかのように感じられる、まるでその場に居たかのように感じられる写真であったとしたら、その写真も「生きた作品」として素晴らしい存在であると言えるでしょう。
もしかすると、そのダンサーが今までどれだけ踊りに心を傾けてきたか、その作品への想いがこもっているか、という「愛」や「熱量」までをも感じられる、素晴らしい体験が出来る人もいるかもしれませんね。

ダンサーはポーズ、ポーズを舞台でお見せするわけではなく、むしろそのポーズとポーズ、ポジションとポジションを「どうやって繋いでいくか」、言葉の無い身体表現の作品を「どうやって紡いでいくか」、作品の時空間的な「共有」を目指しています。
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そのために音楽があり、たとえ音楽がなかったとしても、自分達の呼吸や心臓の鼓動をリズムにして、時間的な表現を行えますし、その時間の経過によってポジションからポジションへの繋がりを空間的に表すことが出来ますね。

かつてヨーロッパでは36面体の中に入って、「ここから、ここへ、このように身体のパーツが移動する」と言うような、ダンスにおけるポジションと動きの解明を目指した研究もされましたし、逆に「牧神の午後」という作品のように、あえてレリーフのような平面的な表現に挑んだ踊りもあります。
この「牧神の午後」はドビュッシー作曲、ニジンスキー振り付けの作品ですが、その平面的な表現から立ち現れるのは、むしろより生き生きとした神話世界の登場人物の「在りさま」です。古典バレエの華やかさとは異なりますが、ぜひ一度ご覧くださいね。
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「牧神の午後」より


芸術は立ち止まることを知りません。
それは芸術に携わる私たち人間が「生きている」からでもあります。
これからも時間の流れや、空間のひろがりや、体温を感じられる芸術であることを忘れず、それらを多くの人と共有するために「共通言語」としてのポジションや、ステップを丁寧に磨いていくことが大切だと考えています。(木村)
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