みなとシティバレエ団附属 池上バレエスクール
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子供への伝え方

6/8/2022

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こんにちは、池上校講師の木村美那子です。

まずはこちらの写真をご覧ください。
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これをバレエ用語で説明すると、次のようになります。

「1stポジションのドゥミ・プリエ、右手をア・ラ・セゴンから横にカンブレ、右足を横にタンデュ、最後にドゥミ・プリエ」

声に出して読んでもわずか12秒ですし、この動きに合うレッスン曲(ゆったりとしたプリエの音楽)で実施しても60秒もあれば十分に足ります。

これを子どもたちに伝える時に、木村は200秒ちかく、つまり3分以上かけます。
びっくりする方もいらっしゃるかもしれませんね。

以前に「お手伝いのすすめ」でお話したように、子どもたちの情報の受容出来る量や範囲はかなり限られていますし、またその受容した情報を取捨選択する段取りも未発達です。

そのため、まずは実施する速度の2倍程度の時間をかけて、動きを視覚でとらえることに集中して覚えます。

次に、先に示したような「言葉での説明」を加えながら動きを整頓していきます。

その次に、今度は先生は動かずに、子どもたちが順番を「言葉で説明」していきます。
その際も、全てを言うのではなくて、先生との問答のように「次は何をどうする?」「右足を横にタンデュする」「何回かな?」「1回!」…と確認していき、そこでようやく音楽がスタートするのです。

バレエでは特に、身体の各パートに関する感覚、方向感覚、空間認知感覚は、子どもたちの「動けること」と平行して、きちんと整頓をしていく必要があります。

それは「回れるけれど行き当たりばったりな感じがする」、「跳べるけれどポジションがばらばら」、「脚はあがるけれど身体がつられてぐらぐら」…では、どのような時にも立ち居振る舞いの奥に必ず品格を含ませることを大切にしている「バレエ」からは離れていってしまうからです。

また、ポジションが正確なだけでは「私・昨日・行く・遊園地・乗る・ジェットコースター・楽しい」と話す感じで、どれだけその単語ひとつひとつを正確に発音出来ても、文章になっていませんし、相手にはその言葉しか伝わりません。
「私は昨日、遊園地に行って、ジェットコースターに乗りました。とても楽しかったです!」と伝えるには、以前の記事でもお話したように、たとえレッスンのムーブメントであっても「おしゃべりをするようにバレエを」することを心がけることが大切なのです。

お話をする時に緩急や強弱がつくように、シンプルに見えるバレエのレッスンでも、そのムーブメントの流れは単調なものではありません。
そしてそれを導くためにレッスン音楽があり、先生たちはいつでも丁寧に数あるレッスン曲の中から、動きと目的、そしてニュアンスなどがきちんと伝わり、子どもたちがそれらを身に付けられるように工夫しているのです。
もしそうでなければ、単純にポジションだけを覚えるのであれば、音楽はもはや「いらないもの」になってしまいますし、メトロノームでレッスンしても変わらない…というものになってしまうでしょう。

「そんなにじっくり伝えていたら、子どもたちは飽きてしまうのではないですか?」と聞かれることがありますが、今まで担当してきた生徒さんの中では、そのようなお子さんはいませんでした。
子どもたちの「やる気スイッチ」がうまく入り、「集中力のギア」が入れば、大人の心配は杞憂に変わるのかもしれませんね。(木村)

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