みなとシティバレエ団附属 池上バレエスクール
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作品紹介④

5/6/2022

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こんにちは、池上校講師の木村美那子です。

先の投稿ではチャイコフスキーが音楽を担当した、いわゆる「三大バレエ」である「くるみ割り人形」、「白鳥の湖」、「眠れる森の美女」をご紹介しました。

今回はそれよりも少し前に作られた「コッペリア」についてお話いたします。
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E.T.A.ホフマンの「砂男」をヒントに、振り付けのアルテュール・サン=レオンが、シャルル・ニュイッテルとともに台本を書き、音楽はレオ・ドリーブが担当しました。

お話の舞台はポーランドのある農村。
主人公のスワニルダはフランツと恋仲ですが、最近のフランツは偏屈な老人コッペリウスの家のベランダで本を読んでいるスワニルダが気になっている様子。そんなフランツを見て、スワニルダは気が気ではありません。
ある日、コッペリウスの落とした鍵を拾ったスワニルダは、友人たちとこっそりコッペリウスの家に忍び込んでしまいます。
コッペリウスの家の中にはたくさんの人形が並んでいます。それらはコッペリウスが作った自動人形(オートマタ)で、あのコッペリアも実はその人形のひとつだったと分かり、喜ぶスワニルダ。
ちょうどその時、コッペリウスが帰宅し、スワニルダたちを見つけて大騒ぎになります。友人たちは逃げましたが、逃げそびれたスワニルダはコッペリアをしまってある部屋に隠れることにしました。
コッペリアのことが気になっているフランツも、こっそりとコッペリウスの家に忍び込もうと、窓にはしごをかけてのぼってきました。
それを見たコッペリウスは「この男の魂を、人形のコッペリアに乗り移らせて、人間にしよう!」と思い付き、フランツにお酒を飲ませて気を失わせてしまうのです。
フランツを助けるために、コッペリアになりすましたスワニルダは、まるで人形に魂が乗り移り、人間に生まれ変わったかのようなお芝居をします。
すっかり自分の試みが上手くいったと大喜びのコッペリウスですが、フランツが目覚め、コッペリアに扮したスワニルダとともにコッペリウスの家を後にする様を目の当たりにしてショックを受けてしまいました。
そして、スワニルダとフランツの結婚を祝う日。かんかんに怒ったコッペリウスがやって来ますが、心から謝る2人の様子と、市長のとりなしによって、コッペリウスは2人を許し、2人は皆から祝福してもらうのでした。

この作品についてはお話したいことがたくさんありすぎて、どこから始めれば良いのか迷ってしまうほどです。

「コッペリア」が生まれた1800年代は、イギリスで始まった産業革命がドイツをはじめとして広い地域に伝わって来た頃で、人々は今まで「不思議」と感じていたことを解明し、また手にした技術で何が出来るか、どこまで行けるか、前のめりになっていました。
その「不思議」の中には中世から続いていた「錬金術」を具体的に解明し、化学として形作ろうとしていましたし、当時流行していた「自動人形(オートマタ)」が様々な分野の人に影響を与えたりしていました。
もしかしたらそれは、人形に人間が魂を宿らせているように見せることで、創造主である神への挑戦をしていたのかもしれません。

また「コッペリア」に関わる人々は全て有名人!
原案「砂男」を書いたE.T.A.ホフマンは、バレエ「ホフマン物語」にも描かれている人物ですし、音楽を担当したレオ・ドリーブはコンクールなどでも踊られる「シルヴィア」を作曲しています。
振り付けのサン=レオンは、「パ・ド・カトル」の1人であるチェリートのパートナーとしても有名ですし、振り付け家としてはディベルティスマンやキャラクテール(民族舞踊)の部分でその力を大いに発揮しました。
(キャラクテールについては、音楽との関係も含めて、また別の記事でお伝えしますね!)

バレエが好きな人はもちろん、歴史が好きな人にも楽しんでいただけるカラフルな作品ですから、この作品に触れる人は色々な面から調べたりしながら、取り組んでみてくださいね。
スクールでは、作品理解にも丁寧に時間をかけて取り組んでまいりますので、ただ踊れるだけではなく、学習も出来る人になれると思います。(木村)
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