みなとシティバレエ団附属 池上バレエスクール
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キャラクターダンスへの導き

5/23/2022

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こんにちは、池上校講師の木村美那子です。

以前、作品紹介で「くるみ割り人形」と「白鳥の湖」を取り上げた際、さまざまな国やお菓子の踊りを中心にご説明しました。
その中でも特定の国や地域の民族舞踊をとりいれた踊りを「キャラクターダンス(キャラクテール)」と呼び、日本ではまだまだ一般的ではありませんが、バレエ学校ではカリキュラムの1つとして必修科目となっています。
日本ではキャラクターダンスのクラスで学ぶのは、マズルカ、チャルダッシュ、タランテラ、スパニッシュの4種類が多いかと思います。
これらのダンスは、それぞれの国や地域の伝統舞踊や民族舞踊のエッセンスをとりいれつつも、あくまで「バレエの一部」としてとらえられ、また学ばれてきたということを忘れてはいけません。
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まずは「キャラクターダンス」が形作られてきた歴史を簡単に見ていきましょう。

19世紀にフランス、スペイン、アメリカで、バレエダンサーとして活動していたマリウス・プティパは、その後ロシアにプリンシパル(主役を務める高位ダンサー)として招かれます。
その後、バレエ教師(メートル・ド・バレエ)としてロシア・バレエの発展に貢献したプティパですが、教師としてだけではなく振付家としても数多くの作品を手掛け、その多くは今も多くの人々に愛され続けています。

宮廷の余興としてバレエが踊られていた頃は、歌あり、セリフあり、踊りあり…という形で実施されていましたがプティパによってそこからダンスの要素と、マイムによる身体の動きによるセリフ的表現が抽出されていきました。
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そしてダンサーであったプティパは、さらに技巧バレエとしての部分とマイムを分けて、特にダンスとしてのバレエを向上させようとしました。
その分、マイムやかつてはセリフで表されていた部分を踊りの構成から判断しやすくなるようにしたり、ダンサーそれぞれの技能をしっかりと見せる場面を差し込んだりと、作品構成そのものに工夫をこらすようになり、そのためのちに「バレエの父」と呼ばれるようになります。

そしてそれらの工夫のなかで、プティパは自分の得意としていたキャラクターダンスにも力を入れて、「ディベルティスマン」の1つとして、その見せ場を多く作っていくのです。
実はプティパは「あなたは脚の形が美しくないから、じっとしていない方が良い」と言われたために、足さばきや技巧を多く身に付けたとか…そして、マイム役者としても重用されていたことを考えると、その様々な要素に取り組んでいたそれまでのプティパの経験が「バレエの父」と呼ばれるようになった土台を作っていたのかもしれませんね。
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もともとの民族舞踊は、地域の人々の団結や協力を導き、盛り上げるためのものでしたが、バレエでのキャラクターダンスには、民族舞踊の持つ独特のエッセンスや、そこから来る華やかさやエネルギーの表現が大切になってきます。
ですから、それぞれの型を学ぶためのバーレッスンやセンターレッスンはもちろん必要ですし、大切ですが、それ以上に上のような役割を果たせるように心がけていくと、クラシックとはまた違った喜びや楽しさを感じることが出来るのではないでしょうか。(木村)
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