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オノマトペの効果②

5/5/2022

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こんにちは、池上校講師の木村美那子です。


前回の記事ではオノマトペの表現力を導く役割についてお話しましたね。

今回の記事では、引き続き、オノマトペの実際の身体への影響についてお伝えいたします。

ボクシングの選手が素早くパンチをする時に「シュッ!」と言っている様子を目にしたことはあるでしょうか?
あれはパワーを出すために歯を噛み合わせたまま、筋肉を効率的に動かすために息を吐く、という2つの行為が合わさったものだと言われています。

また生徒の皆さんはレッスンの時に「スッと」や「グッと」や「サラッと」と言うようなアドバイスを受けたことはありませんか?

言う側も、言われる側にも使われるオノマトペについては、すでに「バイオメカニクス(スポーツ力学)」の観点から、実際の呼気の影響による運動効果と、イメージから来る運動効果について多くの研究がなされており、「スポーツ・オノマトペ」と呼ばれています。

バレエのレッスンで呼気の効果とイメージの効果がより分かりやすいのは、ストレッチの時間かもしれません。
たとえば「ギュー!」と言いながら前屈する時と、「ふにゃふにゃ~」と言いながら前屈する時とでは、どちらが辛く感じるでしょうか?もしかすると身体の柔らかさまで変わってしまう人もいるかもしれません。

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木村のおすすめは「完全に脱力したい時には<ぼと~>とため息のように言う」というものですが、ここで問題がひとつ。
木村の「ぼと~」は「ゆるく作ったスライムがテーブルから床に流れ落ちていく感じ」のオノマトペなのですが、たとえばスライムを見たことがない、触ったことや作ったことがない人には共感を得られにくい、ということがあります。

だからと言って、小さな生徒さんに「股関節を外転、外旋させて内転筋を…」と具体的に説明しても、たとえその説明が正確なものでも、子どもたちの頭の中には柔らかいイメージに直結するとは限りません。
ましてや、言葉でのイメージが伝わらないからと言って、先の記事で示したような未完成の骨格に、大人の力で強い圧をかけてストレッチをすることは、決して行われてはなりません。

それならば、子どもたちがたくさんの感覚刺激を体験・経験出来るような環境を作り、子どもたちがたくさんの表現の引出しを持ち、その中から子どもたち本人が動きや様子をイメージしやすいオノマトペを見つけられると、ゆくゆくはその音を耳にするだけで「考えなくても」身体が反応するようになる…という仕組みも効果的ではないでしょうか?

もちろん、専門的に学ぶ場合にはいつまでもオノマトペだけに頼っていて良いわけではなく、解剖学などを通じてより正確な身体の仕組みを「実践可能な知識」として身に付ける必要がありますが、そのような場合でも、それまでのオノマトペと身体の関係は子どもたちの役に立つことでしょう。(木村)

おまけ:スキップをする時に「だら~ん だら~ん」と言いながら跳んでみたり、膝を抱えて転がる「おきあがりこぼし」を「カキ カキ カキ カキ」と言いながら転がってみましょう。このオノマトペ(音)と身体(運動)の関係性は、先の記事でお伝えした「レッスン音楽」と動きの実施の関係にもつながるお話になります。
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