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身体のかたさ、心のかたさ

5/6/2022

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こんにちは、池上校講師の木村美那子です。

皆さまの中で、こちらのフレーズを聞いたことのある方はいらっしゃいますか?

「健全なる精神は、健全なる肉体に宿る」
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これはもともと古代ローマの詩人・ユウェナリスの風刺詩集にあった「人は神に対して<健全なる身体に宿った健全なる精神>が与えられるように祈るべきだ」という言葉からきています。
そしてこの文章で伝えられているのは「身体が健康であれば、精神も健康だ」ということではなく、「どんな状況にあっても健やかな精神であれるようにすることが大切だ」という諭しであるとされています。
ですが、教育的指導などの面で用いられた時に、その「健やかさ」は深い思慮を失って単純化され、近代に入ってからは、軍国主義のスローガンとして用いられることが多くなり、もとの意味ではなく「強さ=良いもの」、「障がい=良くないもの」というような、権力者にとって都合の良いものにねじ曲げられてしまったようです。

今回の投稿では、もう少しお話の範囲を狭めて、心と身体の関係を考えてみたいと思います。
以前の記事で、王候貴族の威厳やオーラを表現するような、頭を起こし、首を立て、背筋を伸ばした姿勢のお話をしました。
さて、そのような姿勢をとった時、またはとる時、皆さんはどのような気持ちになるでしょうか?
「えっへん!」と大いばりな気持ちになったり、「どうだ!」と見せびらかしたい気持ちになったり、「かかってこい!」と強くなったような気持ちになったりするのではないでしょうか?
逆に、肩を落として、しょんぼりとした姿勢で「かかってこい!」という気持ちになれる人はいるでしょうか?

姿勢や、動き、目線や、呼吸などは、人の心に大きく影響を与えますし、気持ちのありようが、態度や言葉にあらわれることもあります。
バレエでは、動き出す前にプレパレーション(またはプレパラシオン)と言って、準備の動きが入ります。
それは、自分自身にも周りの人にも「これから自分は○○をしますよ!」と伝える役目を持ちますし、運動そのものへの準備にもなります。
このプレパレーションをきちんと行うことで、身体と気持ちの関係をより良いものとし、効率良く動けるようにしているのです。

と言うことは、逆に動きにくくなってしまったり、気持ちを後押ししてくれないプレパレーションをしているのであれば、それは形ばかり真似をした意味のない動作になってしまいます。
特に、筋肉の働きや、骨の仕組み、またバイオメカニクス(運動力学)の面からバレエのポジションや動きを考えると、動きの強度や難易度は高いですが、動きとして「無理!」というものは無いことが分かってきていますから、バレエを形だけでとらえることなく、「より良く動く」、「より良く踊る」、「より美しく在る」ためにレッスンに取り組んでいきましょう。

そう考えた時、「身体のかたさ、心のかたさ」の関係が見えて来ると思いますし、逆に「開脚が180°出来る」だけでは、「えび反り(おでこと爪先をくっ付ける)が出来る」だけでは、そして「正しい姿勢」や「良い姿勢」だけでは、動きとして、さらには踊りとして、心のこもったものにはならないことが分かると思います。

健やかな身体と健やか心で、すてきなバレリーナになれるよう、日々のレッスンを頑張りたいものですね!
また別の機会に、心と身体を整える簡単なワークをご紹介出来ればと思います。(木村)
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